DMって何の略?いろいろありそうだけど・・
前回は「マーケティングって何?」のテーマに対して、中高年は理解しやすく日本語で「売れる仕組み作り」と定義しましょうと申し上げました。
今回からはそんな哲学的なお話ではなく、リアルな寺子屋学習編です。これからは大っ嫌いな英文頭文字表記や記憶しにくいカタガナ表記が出てきます。でもゆっくり解説しますので大丈夫です。
さて中高年の皆様。「DM」と聞いて何を思い浮かべますか?
昭和世代の我々の頭には「ダイレクトメール」いわゆる郵便を使った販促手段の「DM」が真っ先に浮かびますよね。でも若い世代でDMといえばSNS※で使われる「ダイレクトメッセージ※」が主流のようです。
で、今回そのDMの違いについて・・・ではなく、「ダイレクトメール」や企業が使う「ダイレクトメッセージ」を内包する【ダイレクトマーケティング】についてのお話です。
ダイレクトマーケティング、英語ではDirect Marketing。一応DMとも略せますが一般的にはダイレクトマーケティングと表記することが大半です。
では、ダイレクトマーケティングとはどのようなものでしょうか。
これは読んで字のごとく、企業(お店)が顧客(消費者)と直接コミュニケーションを取りながら関係性を構築し、商品購入を働きかけるマーケティング手法のことです。
最初の投稿「中高年は何故マーケティングを学ぶべきなのか」でも書きましたが、マスマーケティングから個別マーケティングへの移行にともない重く用いられるようになったダイレクトマーケティング。
日本では1960年代からカタログ通信販売という手法で始まりました。
我々の世代には「ニッセン」「セシール」や「ベルメゾン」などが身近でしたね。
そしてその後高度成長が止まり、安定成長の時代に入るとその市場変化に伴って、ラジオショッピング、テレビショッピング、ネットショッピングと多様化し今に至っています。
物が売りにくくなったからこそ、顧客との関係を重視するダイレクトマーケティングに注目が集まってきたというのが大枠の流れになります。
ダイレクトマーケティングの特徴は3つあります
双方向性
企業(お店)と顧客(見込客)が1対1のコミュニケーションを取ります。
双方向で情報を出し合い、理解を深めながら商品やサービスを提供していく仕組みであって、ここには従来のような中間流通業者(卸、小売業)を挟みません。ただし小売店さんが顧客と同様のコミュニケーションを取る手法も多くあり、これもダイレクトマーケティングと言えます。
広告媒体の活用
ダイレクトマーケティングは中間流通業者を挟まずに顧客と直接コミュニケーションをとるため、その使用媒体(情報を受発信する道具)は顧客ニーズに合わせて数多くあります。
特にIT技術の進化している昨今は、従来のダイレクトメールに留まらず、メルマガ※、インターネット広告※からSNSを駆使した形態に進化を続けています。
効果測定や分析が可能
ダイレクトマーケティングの重要な要素は効果測定ができるという点です。
ダイレクトマーケティングでは1対1の双方向コミュニケーションが必須のため、顧客の様々なレスポンス※により効果測定や分析を行い、収集された顧客ニーズは次の戦略の種となります。こうして収集された情報が顧客データベースとなり、いわゆるデータベースマーケティング※の基盤となります。
また、効果測定により行った施策(例えばダイレクトメールを郵送)による費用対効果を数値化して検証することが可能になります。
どうでしょう?
ダイレクトマーケティングの概要が何となくわかってきましたか?
すごく乱暴な例えですが、具体的にイメージしてもらうためにちょっとした例を・・
リアル店舗がセールを企画したとします。
『新たにセールをやりたいから顧客に向けてダイレクトメール(はがき)を出そう』
はがきを出そうとすると住所が必要になりますね。
この住所という顧客に繋がる情報があればダイレクトマーケティングはスタートできます。
このこの情報(住所)がなければ顧客情報を収集するところから始める仕組みを要します。
つまり事前に何らかの方法で顧客(見込客)とのコミュニケーションが必要になる訳です。
(これはメールアドレスにしろSNSのアカウント※にしろ同じです。)
『送ったダイレクトメール(はがき)の反応が知りたいな』
この施策の効果を測定するには、先ずダイレクトメール(はがき)の反応率を知らなければなりません。ダイレクトメール(はがき)を持参して来店いただけるような簡単な仕組み(粗品提供、特別値引など)を盛り込み反応率を数値化してみます。
『期待したほどの反応率ではなかったな』
誰が反応して誰が反応しなかったかを分析しターゲット像の可視化や、ダイレクトメール(はがき)訴求内容・見せ方、時期やセール内容の検証などの分析を行い、次のアプローチに活かします。
非常に粗い例ですがこのイメージがダイレクトマーケティングの一端です。例ではダイレクトメールでしたが、これがEメールになったりSNSになったり、それら複数が複合したりしてダイレクトマーケティングは設計されます。
Q ダイレクトマーケティングとは?
A 顧客(見込客)と広告媒体を介して双方向のコミュニケーションを取り、顧客(見込客)に行動し
てもらう手法。そしてその行動を数値化し次に繋げる仕組みのこと
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
次回のテーマは「商圏の変化」です。
昭和世代が通用しなくなったのは商圏変化の対応に苦慮してるからだと思います。
次回も一緒に学びましょう!
次回は10日後程度のUPを目指しておりますが、悩み多き年頃のため確約はいたしかねます。すみません。
※SNS:ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略。社会的な交流作りのために使用できるネットワーク上のサービスのこと。「LINE」「Facebook」「Instagram」が有名。
※ダイレクトメッセージ:SNSで特定の相手だけと送受信するメッセージ機能。
※メルマガ(メールマガジン):企業(発信者)が顧客(購読者)に定期的にメールで情報を配信する情報発信の一つ。
※インターネット広告:ホームページ(Webサイト)や検索エンジン(Googleなど)を活用したインターネット上の広告。
※レスポンス:本文中で使用している意味は反応のこと。
※データベースマーケティング:顧客の個人情報や購買履歴などのデータを収集・蓄積・分析・活用することでニーズを把握し、ターゲットとなる顧客にアプローチするマーケティング手法のこと。
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